オリンピックで見た、最高の試合。
僕は先日、こんな記事を書いた。
オリンピックに出場している選手たちが全然楽しそうにプレイしていない、ということについて書いた記事だった。
僕はスポーツが好きだけど、今の時代のスポーツは結果にこだわりすぎていて、本質から大きく外れてしまってると思う。
オリンピックはその最たるもので、だからテレビ観戦していても心地よくない。
「国家の威信」を背負ってまで、大きな重圧を背負ってまでやる必要があるんだろうか?
僕は、スポーツの本質は、プレイしている本人が楽しむことにあると思ってる。
大谷選手のMLBでの活躍を見ていて楽しいのは、本人が心底楽しんでいるのが伝わってくるからだ。
それに比べると、オリンピックに出場している選手たちはメダルを取ることにこだわり過ぎていて、楽しむことを完全に置き去りにしてしまってると思う。
そして、それが行き過ぎて、なんと決勝戦に進出したのに棄権してしまう選手までいる。
こうなるともう、本末転倒としか言いようがない。
この記事の中で、カナダのジョージア・エレンウッド選手はこんなふうに語ってる。
アスリートとして、私たちはしばしば物事を乗り越えろと言われますが、自分自身を置き去りにしてしまいます。
私たちは、心が最大の資産であることを忘れてしまいます…
そして、オリンピックのプレッシャーは内面にダメージを与えます。
彼女たちは、世界の重荷を背負っていても、心の健康よりも優先するものは何もないことを示しています。
まずはあなた自身を大切にしてください。
本当にそうだと思う。
メダルや勝敗にこだわり過ぎたり、国家の威信や周囲の期待を背負ってプレイするのは、「他人軸」で生きるのと同じことだ。
他人軸で生き続けていれば、自分を見失ってしまうのは当然のことだと思う。
だから、選手たちには、なぜ自分がそのスポーツを始めたのか?という原点に立ち返って、楽しんでもらいたい。
それで僕は、先日、あんな記事を書いたわけなんだよね。
ところで、昨日の夜たまたまテレビをつけたら、バドミントンの女子ダブルスの試合があっていて、福島選手と廣田選手の日本人ペアが、中国チームと準々決勝の対戦をしていた。
僕は特にバドミントンが好きなわけでもないので、何気なく見始めたんだけど、すぐに画面の中に引き込まれてしまった。
それは、福島選手と廣田選手の雰囲気が、これまで見てきたオリンピックの試合とは全く違っていたから。
日本の2人は、第1ゲームを先取したものの、第2ゲームは中国に取られ、最終の第3ゲームも中国チームが大きくリードしたまま試合が進んでいた。
にもかかわらず、福島・廣田ペアは実に爽やかな表情で、笑顔を見せながら試合を続けていた。
第3ゲームの最終盤で絶体絶命の場面になっても2人のペースは変わらず、相変わらず楽しそうにプレイしている姿は、これまでオリンピックで見たどんな試合とも違っていて、僕は衝撃を受けた。
結局、福島・廣田ペアは中国に負けた。
試合後に、対戦相手の中国選手から声を掛けられたのをきっかけに2人の目から涙がこぼれていたけれど、その表情にネガティブなものは感じなかった。
実に清々しい、素晴らしい試合だった。
だけど、僕は不思議だった。
どうしてこの2人は、オリンピックの大舞台を楽しむことができたんだろう?って。
他の選手たちは物凄いプレッシャーと戦いながら必死にメンタルを維持している状態なのに、なぜ2人はこんなに爽やかに、楽しそうにプレイできたんだろう?って。
その答えは、試合後のインタビューでわかった。
実は、廣田選手はオリンピック直前の先月18日、練習中に右膝前十字じん帯断裂(全治6カ月)という大怪我をしていて、とても試合に出られるような状態ではなかったらしい。
コートに立っていること自体が奇跡のような状態だったらしく、敗戦後のインタビューでは、こんなふうに語っていた。
──最後はどんな思い
福島選手「(廣田選手はケガした膝が)痛かったと思うが、本当に頑張ってくれたので、自分も最後までしっかりやることができた。2人で楽しくやれたかなと思います」
──廣田選手は振り返っていかがですか
廣田選手「たくさんの人に支えられてこの舞台に立てたので感謝。2人で思い切ってできたことが本当に幸せでした。福島先輩には本当に感謝しています」
(引用:日テレNEWS24)
おそらく、先月廣田選手が大怪我をした時点で、2人はオリンピックへの参加をいったんは諦めたんだろうと思う。
だから、廣田選手は7月25日の予選の試合後に「コートに立てるのが本当に奇跡のようなことなので、ここに立てて幸せだなと感じています」と話している。
オリンピックの舞台に立てて、ここで2人でプレイしているということ自体が奇跡。だから、この試合を、この時間を楽しもう。
そんな思いで2人はプレイしていたんだろう。
その気持ちが、試合中の2人のあの清々しい笑顔にあらわれていたんだろうと思う。
2人にとってはメダルや勝敗なんて、二の次だったに違いない。
今この瞬間、2人でプレイできることに感謝して、その喜びを味わい、ベストを尽くして試合を楽しむ。
それがすべてだったんだろう。
ほかのあらゆる競技のすべての選手たちが、この2人と同じようにプレイできたらいいのに。
オリンピックをはじめとするスポーツ大会が、結果を求めすぎるのではなく、プレイすること自体を楽しむ場になったらいいのに。
改めてそんなことを強く感じさせてくれる試合だった。
福島選手、廣田選手、本当に素晴らしい試合を見せてくれて、どうもありがとう!
それでは今日はこの辺で。
shivai !!
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