世界は確実に良くなってるんじゃないだろうか。
僕はほとんどテレビを見ない生活(スポーツ中継とNHKスペシャルを除く)をしてるけど、それでもたまにニュース番組を見ると、世の中は問題だらけであるかのように感じてしまうことがある。
新型コロナは言うまでもなく、環境問題、国際紛争、災害、貧困問題、食糧問題、少子高齢化問題、財政問題などなど・・・。
考え始めたら、そりゃもう、世界はお先真っ暗なんじゃないか?っていう気になってくる。
でもね、僕はね、世の中はどんどん良くなってきてると思うんだ。
というのも、今日、久しぶりに高杉晋作の辞世の句を目にしたんだよね。
おもしろき こともなき世を 面白く
(高杉晋作)
僕は中学~高校時代に司馬遼太郎の『竜馬がゆく』にハマってて、その中で書かれてた高杉晋作のこの句がすごく好きだった。
ちなみにこの句は短歌の上の句で、晋作は臨終の床で歌を詠もうとしたんだけど、上の句だけ読んだところで詰まってしまったんだよね。
それで、その場にいた何とかっていうお坊さんが「すみなすものは 心なりけり」と、下の句を続けたらしい。
だから、高杉晋作の辞世の句としては「おもしろき こともなき世を 面白く すみなすものは 心なりけり」とされてるけど、晋作が実際に読んだのは上の句だけみたい。
たしか『竜馬がゆく』ではそんなふうに描かれていたと思う。
で、10代~20代のころの僕はこの晋作の句が好きだった。
それは今思えば、当時の僕自身が「世の中はつまらない」と思っていたからだと思う。
10代のころは20世紀末で、バブル崩壊直後。
阪神大震災やオウム事件があったり、1999年に地球は滅亡するなんていうことも言われてた。
それに、何より僕自身が受験生活に辟易としてて、生きることが楽しいとは思えなかった。
だから、晋作の辞世の句を見て自分を奮い立たせてたんだろうと思う。
おもしろき こともなき世を 面白く
でも、今朝久しぶりにこの句を目にして、おお~懐かしいなぁとは思ったものの、これが全く心に響かなかったんだよね。
それはたぶん、今の僕は「世の中が面白くない」とは思っていないからだと思う。
確かにニュースを見れば、世界はネガティブなことで溢れてて問題だらけのように感じるけど、でも昔に比べたら確実に世の中は良くなってると思うんだよね。
コンビニに行けばそこそこ美味しいものがいつでも買える。
100円ショップでは、以前は考えられなかったような値段でいろんなものが買える。
格安航空券で簡単に海外に行くこともできる。
ユニクロにしろ、IKEAやニトリにしろ、悪くない品質の商品を手ごろな価格で売ってくれる。
そして、いつでも誰とでも繋がれるデバイスが手のひらサイズになってて、カメラ、カーナビ、テレビ、ラジオ、電話、音楽プレイヤー、録音機、書籍、雑誌、新聞、時刻表、懐中電灯、電卓、タイマー、クレジットカードなどなど、中に何でも入ってる。
若い頃あれだけ苦労して手に入れてたエロコンテンツでさえ、一瞬で、しかも無料でゲットできるぜ! イエ~イ!!
Amazonさんのおかげで自宅から出ることなく、一瞬で買い物できる。
やる気さえあれば、スマホ一つで起業することすらできる。
これって、30年前の僕には想像もできなかったことだ。
電話が手のひらに収まるようになることさえ考えられなかったわけだし。
さらには、昭和的なおかしな価値観はどんどん薄れてきてるし、労働環境も少しずつ良くなってる。
コロナのおかげでリモートワークも普及し始めた。
子どもを持つ人が働きやすい環境も整備されつつある。
地球環境に対する意識も高まってきてる。
SNSによって個人の発言力が高まったことで、ハラスメント的なことや不正行為もしづらくなってきてる。
かつては日常的にあった戦争や貧困も、今は遠い昔。
もちろん、今でも世界中には問題がたくさんあるけど、少なくとも僕が10代の頃に比べると世の中は確実に良くなってきてると思う。
そして、やる気さえあれば何でも手の届くところにある。
だから、晋作の句が心に響かなくなったんだ。
今の世の中は、十分に面白い。
そして、想像したくなるんだ。
幕末の時代を「面白くない」と感じつつも、命を燃やして怒涛のように駆け抜けた高杉晋作が今の世の中を見たら、どう感じるんだろうか。
もし彼が今の時代に生きていたらどんなふうに生きるんだろうか。
彼の辞世の句を久しぶりに目にして、そんなことを感じたのでした。
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