一体化すれば「恐怖」は消える
先日、NHKの番組の中で、F1レーサーの佐藤琢磨さんがこんなことをおっしゃっていました。
僕らが恐怖感を克服する唯一の方法は、車と一体感を持つことなんです。
私はF1カーに乗ったことも運転したこともありませんが、この言葉の意味はわかる気がします。
F1レーサーが感じる恐怖感というのは、事故によって大けがをしたり命を落としたりするかもしれないという不安から来るのだろうと思います。
ですが、もし車と一体になることができたら、つまり車を自分の思いのままに操ることができる状態になれたら、「事故に遭うかもしれない」という恐怖感はなくなるだろうと思います。
なぜなら、事故に遭いそうになったとしても、すぐに自分で車をコントロールして危機を回避できるからです。
そして、これは、私たちの人生に関しても同じことが言えるかもしれません。
というのも、F1レーサーが事故に対して恐怖を感じるのと同じように、私たち人間は、未来に対して漠然とした不安感や恐怖感を抱いています。
「一寸先は闇」という言葉もあるように、「もしかしたら未来には何か悪いこと・望まないことが起きるかもしれない」と考えてしまう人は少なくないのではないでしょうか。
自分自身の健康や仕事、家族や家庭のこと、あるいは災害などに関して、将来は何が起きるかわからないから、それに対して備えておかなければいけないと考える人のほうが多数派だと思います。
また、マスコミ報道なども、明るい未来を指し示すものよりもネガティブな内容のほうが多く、少子高齢化問題、地球環境問題、国の財政問題、貧困問題などなど、このままでは暗い未来しかないと感じさせ、私たちを不安にします。
そして、そのような状況が私たちを憂鬱にし、委縮させ、閉塞感や無力感を生んでいるわけです。
このように、未来への不安や恐怖が私たちの人生に影を落としているとするならば、その根本には、「自分には自分の人生をコントロールすることができない」という、ネガティブな思いがあるのではないでしょうか。
つまり、自分自身と自分の人生との一体感がないために、人生をコントロールできないと感じてしまっているわけです。
では、なぜ私たちは人生との一体感を持てないのでしょうか。
それは、もしかすると、人生という名の車のハンドルを自分で握っていないからかもしれません。
自分自身の価値観をしっかり持って自分の心の声に従って生きるのではなく、他人の価値観や世間の雰囲気に流されて生きていたら、当然ながら人生をコントロールすることはできません。
言ってみれば、他人にハンドルを預けて、自分は助手席に座っているような状態ですから、車との一体感を持てないのも当然です。
私たちの未来に対する不安感や恐怖感を減らすためには、まずは自分自身と自分の人生との一体感を持つことが必要なのだと思います。
それによって人生を思いのままに操ることができると感じられたなら、F1レーサーが車と一体になることによって恐怖を克服するのと同じように、私たちの未来に対する不安や恐怖もなくなることでしょう。
もちろん、自動車と違って、私たちの人生というのは自分の意思や思考だけで完全にコントロールできるものではありません。
私たちが生きているこの現実世界で、自分の人生を完全に思いどおりに操るというのはなかなか難しいことです。
しかし、少なくとも、誰かが運転する車の助手席に座って他人任せで生きるのをやめることはできます。
人生という名の車のハンドルを自分で握ることは、自分の意志でできます。
それができれば、私たちは未来への不安や恐怖を軽減できるに違いありません。
そして、未来への不安や恐怖を抑えることができれば、憂鬱な気分や無力感も緩和されることでしょう。
ですから、より良い人生を自らの手でつくるための第一歩として、まずは自分自身が自分の人生の舵をとるのだと決めましょう。
つまり、他人の価値観や世間の空気に流されて生きるのではなく、自分自身の心の声を優先して生きるのだと決めることです。
そして、助手席から降りて運転席に乗り込み、ハンドルに手を置きましょう。
ハンドルと手を密着させることで人生との一体感、人生との調和を感じてみましょう。
人生が私を振り回すのではなく、私が人生を導くのです。
そこから、私たちの本当の人生が始まります。
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