旅と人生とスピリチュアル ①
昨日、部屋の片づけをしていたら、学生時代の写真が出てきた。
もう20年以上前のことになるけど、当時、僕はアルバイトでお金を貯めてはバックパックを背負って海外に行くということをしていた。
初めて行ったのはトルコ。
高校生のときに沢木耕太郎氏の『深夜特急』を読んで海外に魅せられ、特にトルコのエキゾチックな雰囲気を肌で感じてみたいと思っていたので、真っ先にトルコを選んだんだよね。
で、トルコまでの往復航空券を買った。
格安航空券だったから、帰りの便は1カ月後のフィックスで、予定変更不可。
1カ月かけてのんびりトルコ各地を回ろうと考えていたので、細かいスケジュールは何も決めず、当然ホテルの予約もせずに。
トランジットでいろんな都市を経由して、トルコに着くまで20時間くらいかかった。
イスタンブールに入ったときの持ち物は、現金、キャッシュカード、着替えの服、カメラ、日記用のノートとボールペン、あとはガイドブック『地球の歩き方(トルコ編)』くらいだったと思う。
沢木さんの『深夜特急』の旅に憧れていたので、行ってみれば何とかなるだろう、くらいの軽い気持ちだった。
だけど、当然ながら本で読むのと実際に行ってみるのでは大違いだったんだよね。(笑)
トルコは日露戦争以来の親日国だから、日本人には優しくて旅行しやすい国だと聞いていたんだけど、実際は全然違ってて。
近づいてくるのは、若い日本人観光客から金を巻き上げようと考えてる人たちばかりで、何度も何度も騙されて、1週間経ったころには僕はもう精神的にヘトヘトになっていた。
せっかくバイトで貯めたお金も、かなり減ってしまっていた。
ホテルの鏡で見た自分の顔がめちゃくちゃ険しくて、急激に老けたように感じたのを覚えている。(笑)
それでも、せっかくトルコに来たんだから、あと3週間、できるだけ楽しもうとは思うんだけど、湧き上がってくるのは「早く日本に帰りたい…」という気持ちばかり。
でも、航空券はフィックスなので、帰国日は変更できない。
フィックスの航空券なんてもう二度と買わんぞ!って、あのとき心に誓った。(笑)
とはいえ、もうこれ以上トルコにいても気持ちが荒んでいくだけなので、もったいないけど成田までの片道航空券を買って日本に帰ろう…と思っていた。
それが、おそらく現地で2週間くらい過ごした頃だったと思う。
で、地方都市を回っていたのを切り上げて、イスタンブールに戻ってきた。
そしてイスタンブールの街をぶらぶら歩いていたら、ふと1軒の小さな旅行会社が目に入った。
あ。ここで成田行きの航空券が買えるかも?と思って近づいてみると、店頭に世界各都市行きの航空券の価格がベタベタと張り出されてた。
でも、最初に僕の目に留まったのは成田行きの便ではなくて、「イスタンブール ⇔ カイロ 300ドル」という文字だった。
えっ? カイロまで300ドルで往復できるの?
カイロって、あのエジプトのカイロだよね?
ホントに??
それまで東京に帰ることしか考えていなかった僕に、新しい選択肢が出現した。
そして、「東京行きのチケットを買って日本に帰るくらいなら、エジプトに行こう!」って、瞬間的に思った。
「僕は日本に帰りたいわけじゃなくて、トルコから逃げ出したいだけだ」っていうことに気づいたんだよね。
それで、慌てて店内に駆け込むと、ほとんど何も考えずに300ドルでカイロ行きのチケットを買った。
ちなみにそのチケットは直行便ではなくて、イスタンブールからアテネ経由でカイロに行くというルートだったんだけど、それがまた僕にとっては嬉しかった。
トランジットで1~2日、アテネ市内を散策する時間があったので。
ギリシャはトルコに比べると先進国に近くて、観光客をあからさまに狙ってくる人たちもいなかったので、僕はトルコにいたときとは全く違って、リラックスした気分でアテネの街を歩くことができた。
ただ、そのときはたまたまストライキか何かでパルテノン神殿が閉鎖されていたのが残念だったけど。
長くなったので次回に続きます。
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